健康維持や栄養補給のためにいろいろなサプリメントも活用している方は多いと思います。
しかし、「体に良いものだから」と、知らず知らずのうちに摂取目安量を超えてしまっていることもあるかもしれません。
今回は、東邦大学が行った日本人2,002人を対象に行ったサプリメント利用の実態調査についてご紹介します。
この研究はInteractive Journal of Medical Research誌に2026年3月に記載されています。
約5人に1人がメーカー摂取目安量超え
この研究は、18~74歳の日本人2,002人(平均年齢:43.7歳、女性1,514名)を対象に、購買履歴データとオンライン調査を組み合わせて、サプリメントの利用状況を調査しています。
データ解析の結果、2,002人のうち18.5%にあたる371人が、メーカーが表示している「1日当たりの摂取目安量」を超えて利用していたと報告しています。

これはメーカー表示の摂取目安量であるため、この量を超えているからといって健康を損なうものではないことに留意が必要です。
とはいえ、約5人に1人がメーカー摂取目安量を超えていたという調査結果は見過ごせない数字かもしれません。
297人の6割が耐容上限量を超過
研究グループは、メーカー摂取目安量を超えていた371人についてさらに詳しい解析をしています。
このうち297人は、日本人の食事摂取基準で耐容上限量が設定されている栄養素を含むサプリメントを利用していました。
そして、その297人のうち62%にあたる184人が、少なくとも1種類の栄養素について、サプリメントからの摂取量が耐容上限量を超えていたことが明らかとなっています。

耐用上限量とは、「健康障害をもたらすリスクがないとみなされる、1日あたりの習慣的な摂取量の上限値」のことです。
この量を超えて摂取し続けると過剰症リスクが高くなるため注意が必要となります。
商品分類ではなく栄養素による分類
この研究は、商品名やメーカーごとに比較したわけではなく、含まれている栄養素の種類にもとづいて以下のように分類して解析しています。
- マルチビタミン・マルチミネラル
- 葉酸+鉄
- 単一の水溶性ビタミン(B群・Cなど)
- 単一の脂溶性ビタミン(A・D・Eなど)
- 単一ミネラル(カルシウム・マグネシウム・鉄・亜鉛など)
つまり、「どの商品が問題だったか」ではなく、「どのような栄養素を含むサプリメントで摂取目安量超過がみられたか」を検討した研究となります。
なかでも、メーカー摂取目安量を超えていた371人の中では、水溶性ビタミンサプリメントの利用者に多い傾向が認められています。
なお、ビタミンCについては日本の食事摂取基準で耐容上限量が設定されていないため、今回の研究から耐容上限量超過の有無を評価することはできません。
注意が必要な栄養素は?
この研究では、耐容上限量を超えていた割合が比較的高かった栄養素として下記のような栄養素が報告されています。
- マグネシウム
- ナイアシン(ビタミンB3)
- 亜鉛
- ビタミンA
- 葉酸
摂取目安量を超えてしまうのはどんな人?
摂取目安量を超えて利用している人には以下のような関連した特徴が見られています。
- 50〜64歳の中高年層
- 就業者(パートタイム・フルタイム含む)
- 単一の水溶性ビタミンサプリメント利用者
- 6か月以上の継続使用者
- 意図的に目安量より多く摂取していると回答した人
また、複数のサプリメントを利用している場合、同じ栄養素を重複して摂取していることを意識しにくいとの背景もあると考えられます。
さらに、健康への意識が高い人ほど「少し多めの方が良いのでは」と考えがちになり、結果として摂り過ぎにつながってしまう可能性もあるかもしれません。

サプリメントは適量を続けることが大切
サプリメントは毎日の健康習慣を支える便利な選択肢でもあります。
一方、今回の研究では「健康のために利用しているサプリメントであっても、摂取目安量を超えて利用している人が少なくない」ことを示しました。
一時的に摂取量が増える分にはほとんど影響はないと考えられますが、継続的に量を多く摂っていると健康に影響を与える可能性もあります。
是非、ご利用中のサプリメントのパッケージに記載されている摂取目安用を確認してみてください。
一日にサプリメントからどのくらい栄養素を摂取しているのか意識してみましょう。
参考)
Interact J Med Res. 2026 Mar 19;15:e82623.
- このコラムで紹介した情報は、一般的な知識のみを目的としたものであり、栄養素の効果・効能を保証するものではありません。
- 専門的な医学的アドバイスや特定の病状に対する治療の代わりとはなりません。

