ビタミンC、脳に直接関係してた!?

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ビタミンCと聞くと、美容を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか?


実は、脳や心の健康にも深く関わっている可能性が示されています。


実際にビタミンCは、コラーゲンの生成や抗酸化作用などに関わる栄養素として広く知られています。


しかし最近、ビタミンCが脳の構造ネットワークにも影響を与えている可能性があることが発表されました。


今回は、2026年6月10日に医学雑誌PLOS ONE誌に掲載された弘前大学の研究をご紹介します。


約2,000人の脳MRI画像を解析



この研究は、地域で生活する高齢者2,044人(中央値年齢69歳、女性61.1%)を対象に、血液中のビタミンC濃度(摂取量を反映)と脳MRI画像を解析し、その関係性を検討したものです。


まず、研究グループは、

  • 年齢
  • 性別
  • 喫煙習慣
  • 飲酒習慣
  • 運動習慣
  • 高血圧や糖尿病などの健康状態など


これら脳の状態に影響を与える可能性のある要因も統計的に考慮した上で分析を行っています。こういった要素を減らすことでビタミンCの影響がよりわかりやすくなります。


ビタミンC濃度が高い人ほど脳の体積が大きかった



私たちの脳は、大きく「灰白質」と「白質」という2つの部分からできています。


灰白質とは、神経細胞が集まっている部分で、思考や判断、記憶、言語など私たちが日常生活で行うさまざまな認知活動に関わっています。


一方の白質は、脳の各部位をつなぎ、情報を伝達する役割を担っています。いわば脳内の「情報通信ネットワーク」のような存在になります。









研究グループが、血中ビタミンC濃度とこれらの大きさを比較したところ、ビタミンC濃度が高い人ほど、脳の灰白質と白質の体積が大きいことが確認されました。


こうした脳の状態が保たれていることは、将来の脳の健康にとってよい影響を与える可能性があります。








記憶や思考に関わる脳領域でも関連が確認



研究グループは、さらにビタミンCと脳の領域の関係を解析しています。


詳しく解析すると、記憶や思考、情報処理などに関わる領域でも、血中ビタミンC濃度が高い人ほど容積が大きい傾向があることが確認されました。


また、記憶や自己認識、考え事をするときなどに働く脳内ネットワーク(DMN)についても、血中ビタミンC濃度との関連が認められています。


このネットワークはいくつかの領域に分けて調べられており、その多くでビタミンC濃度が高いほど良好な状態を示していたことが確認されています。


これらの結果は、ビタミンCと脳構造との間に何らかの関係が存在していることを示唆しています。








認知機能との直接的な関連は確認されず



一方で、今回の研究では、血中ビタミンC濃度と認知機能テスト(MMSE)の点数との間に直接的な関連を示すことはできませんでした。


そのため、この研究だけで「ビタミンCを摂れば認知機能が向上する」とはいえず、あくまで観察研究であり、因果関係を証明したものではありません。


研究グループは、長期間の追跡調査や食事内容も含めたより詳しい研究が今後必要としたうえで、十分なビタミンC状態を維持することが、脳の健康維持に役立つ可能性があると考察しています。


参考)
PLoS One 21(6): e0348504.






ビタミンC摂取量と認知機能の向上や認知症の発症に関連があるとする論文は国内外で多く報告されています。

しかし、今回の研究は、脳MRIのデータからビタミンCが直接脳の構造に影響を与える可能性があることを示した新しい報告となります。


美容のために意識されることが多いビタミンCですが、ビタミンCには一石40鳥といわれるほどさまざまな働きがあります。


将来の健康を考えるうえでも、ビタミンCを積極的に摂るようにしましょう。





  • このコラムで紹介した情報は、一般的な知識のみを目的としたものであり、栄養素の効果・効能を保証するものではありません。
  • 専門的な医学的アドバイスや特定の病状に対する治療の代わりとはなりません。

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