ビタミンCには、粉末や錠剤、カプセルなど、さまざまなタイプがあります。
その中でも、リポソームビタミンCは工業的にリン脂質でカプセル化したビタミンCになります。
リポソームビタミンCは、通常のビタミンCと比べて、どんな違いがあるのでしょうか?
今回は、2024年12月号の栄養学雑誌「European Journal of Nutrition」に掲載されたヒト試験の結果についてご紹介します。
これまでの研究には課題も
通常のビタミンC(以下、ビタミンC)とリポソームビタミンCについては、これまでもさまざまな比較研究が行われてきました。
しかし、過去の研究には、二重盲検ではないもの(参加者も研究者も、どれを摂取しているか分からない状態で行う試験ではないもの)や、プラセボ(偽薬)を設けていないものがありました。
また、4~36gという非常に多い量のビタミンCを使用した研究や、摂取後6~8時間程度までしか測定していない研究もあります。
そのため、今回研究は、より厳密な条件で比較が行われています。
健康な成人27人が500mgを摂取
この研究に参加したのは、健康な成人27人(男性19人、女性8人、平均36±5.1歳)です。
参加者は、少なくとも3日間の間隔を空けて、ビタミンC、リポソームビタミンC、プラセボのカプセルを1回ずつ摂取しました(摂取の順番はランダム)。
そして、摂取後24時間にわたって血液を採取し、血漿と白血球に含まれるビタミンC濃度を測定して比較しています。

リポソームビタミンCはピーク時の濃度が高い
それぞれのデータを比較した結果、以下のことが報告されています。
●ピーク時の濃度は、リポソームビタミンCの方が、血漿で27%、白血球で20%高い結果でした。
●24時間の総量でみると、リポソームビタミンCの方が、血漿で21%、白血球で8%高い結果でした。
●どちらのビタミンCも、摂取してから4時間で濃度がピークとなりました。
●差が目立つのは摂取後4時間前後で、白血球では6時間以降の差は小さくなっていました。

血漿中のビタミンC濃度は、血液中を循環するビタミンCの状態を反映する指標の一つです。また、白血球はビタミンCを取り込み細胞内で保持しています。
図のとおり、血漿中のビタミンC濃度は、リポソームビタミンCの方が全体的に高めに推移していました。一方で、白血球中は差が見られたのはピーク時付近で、その後の差は小さくなっていました。
ただし、調べられたのは500mgを1回摂取した後の濃度の変化で、健康への効果の高さを示すものではなく、長期的な健康状態や具体的な効果との関係は、まだ十分に分かっていないのが現状です。
なお、研究には、使用されたリポソーム製品の提供元であるSpecnova社から研究資金が提供されていますが、研究には関与していないとしています。
参考)
Eur J Nutr. 2024 Dec;63(8):3037-3046.
ビタミンCには、粉末、錠剤、カプセル、リポソームタイプなど、さまざまな種類があります。
含有量や味、飲みやすさ、価格、続けやすさなど、ご自身が重視するポイントに合わせて、選ぶ際の参考にしていただければと思います。
- このコラムで紹介した情報は、一般的な知識のみを目的としたものであり、栄養素の効果・効能を保証するものではありません。
- 専門的な医学的アドバイスや特定の病状に対する治療の代わりとはなりません。

