「ブルーベリーは目に良い」という話を一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。
このイメージのルーツは意外と古く、第二次世界大戦中にイギリス空軍のパイロットがブルーベリージャムを食べると夜間視力が上がったと報告したことがきっかけといわれています。
では、実際にブルーベリーは目に良いといえるのでしょうか?
今回は、ブルーベリーと視覚機能の関係についてご紹介します。
目のピント調節の仕組み
私たちが物を見るとき、目の中ではいくつかの仕組みが連動して働いています
光はまず目の奥の網膜に届き、そこにあるロドプシンという光受容体が視覚の信号を生み出します。ただしロドプシンは光を受けると分解されるため、常に作り直される必要があります。
また、近くや遠くの物にピントを合わせる働きをしているのが毛様体筋です。この筋肉が水晶体の厚みを変えることで、私たちは距離の違う物を見ることができます。
長時間のデスクワークやスマートフォンの使用では、この毛様体筋が緊張しやすくなると考えられています。

ブルーベリーの有効成分「アントシアニン」
ブルーベリーの代表的な成分として知られているのがアントシアニンです。
アントシアニンは抗酸化作用を持つことで知られ、活性酸素によるダメージから細胞を守る働きがあると考えられています。
目は常に光を受けて働く器官であるため、活性酸素の影響を受けやすい部位の一つといわれています。
さらに、アントシアニンは視覚情報の伝達に関わるロドプシンの再合成にも関与する可能性が報告されており、これがブルーベリーが注目される背景になっています。
ブルーベリーとビルベリー、何が違う?
ブルーベリーとよく混同されるのがビルベリーです。どちらもツツジ科の果実ですが、産地や性質に違いがあります。
一般的に食べられているブルーベリーは北米原産の「栽培種」であるのに対し、ビルベリーはヨーロッパ北部などに自生する「野生種」です。
ビルベリーは果肉まで濃い紫色をしており、ブルーベリーと比べてアントシアニンを多く含むことが知られています。

研究でわかってきた視覚機能への影響
では実際に、ブルーベリーやビルベリーに含まれるアントシアニンは視機能に影響するのでしょうか。
その関係を調べた研究を見てみましょう。
ビルベリーエキス240mgを12週間摂取した研究では、眼精疲労を自覚する日本人成人97名を対象に目のピント調節に関わる毛様体筋の状態変化について検討が行われています。
4週目ではエキス摂取群とプラセボ群に差は見られませんでしたが、8週目はエキスありグループで毛様体筋の緊張が抑制され、12週目まで持続していました。
また、アントシアニン2.3mg、アスタキサンチン3mg、ルテイン5mgを6週間摂取した試験では、眼精疲労を自覚する日本人成人40名を対象に目のピント調節や眼精疲労に関連する指標に変化があるかを検討しています。
アスタキサンチンは目の血流改善、ルテインは水晶体(黄斑)の保護に作用するといわれています。
その結果、毛様体筋の緊張だけではなく、ピントが合いにくい、手元の細かいものが見えにくいといった訴えも改善していました。
研究結果からいえること
これらの研究結果から、アントシアニンが活性酸素の除去・ロドプシンの再合成・毛様体筋によるピント調節といった、視覚を支える仕組みに関係する可能性があるといえそうです。
ビルベリーエキス240mgは、生の果実でおよそ10~30g程度に相当すると考えられています。ブルーベリーならば2~5倍の量が必要となります。
この量を6週間以上継続すると、毛様体筋の緊張緩和や自覚症状に変化がみられる可能性があります。
参考)
Nutrients. 2020 Feb 25;12(3):600.
J Clin Biochem Nutr. 2021 Jul;69(1):77-90.
ブルーベリーやビルベリーは視覚機能に関わる可能性が示されています。
ただし、研究で用いられた量を果実だけで継続して摂るのは簡単ではありません。試してみたい場合は、成分量が調整されたサプリメントという方法もあります。
とはいえ、意識的な休憩や首・肩のストレッチ、ホットアイマスクなど目へのケアも合わせて行いましょう。
- このコラムで紹介した情報は、一般的な知識のみを目的としたものであり、栄養素の効果・効能を保証するものではありません。
- 専門的な医学的アドバイスや特定の病状に対する治療の代わりとはなりません。

