α-リポ酸が体内リズムの調整に関与!?

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α-リポ酸は、ビタミンCやビタミンEなどの抗酸化物質に比較し、そのチカラは400倍ともいわれいます。さらに、これらの抗酸化物質を再生することができるスーパー抗酸化物質として注目されています。そのため、α-リポ酸は世界中の研究者により研究が進められています。

 
2014年に米国オレゴン州立大学の研究グループが、化学専門誌Biochemical and Biophysical Research Communicationsに、α-リポ酸が体内時計の調整に関与しているとの発表がありましたのでご紹介します。

 
人間の身体には、1日周期でリズムを刻む「体内時計(時計遺伝子)」が備わっており、血管や臓器の働き調整する自律神経やホルモンの分泌などの働きをコントロールしています。人間の遺伝子の約1/3は、体内時計の影響を受けているともいわれ、体内時計のリズムが狂うと不眠や疲労感、倦怠感だけでなく、最近は、高血圧や糖尿病、メタボリックシンドローム、がんなどの病気にも影響を与えると考えられるようになってきています。特に、体内時計の乱れは、老化のスピードに大きな影響を与えることもわかってきています。

 
この研究グループは、雄の高齢ラット(24か月)344匹を、ひとつはα-リポ酸(80mg/体重)を含んだ餌を与えたα-リポ酸群、もう一方はα-リポ酸を含まない餌を与えたコントロール群の2つに分け2週間育てました。その間、2つの群は、体内時計を一定にするため12時間サイクルで明暗が調整された部屋で飼育されています。これらのラットを体内時計が活発な明るいサイクル(3時間毎)に取り出し、体内時計に関係する4種類のタンパク質(コルチコステロン、BMAL1、Reverbβ、Prep2)を測定しその違いを解析しました。

 
その結果、α-リポ酸を含んだ餌で育てた老齢ラットのタンパク質の変化が、若い動物と同じようなパターンとなることを発見し、α-リポ酸が体内時計を改善することを見出しました。また、研究グループは、老化が進むとよくみられる肝機能障害の一部を改善することも発見しています。

 
 

 

 
この報告では、α-リポ酸の容量を変えたり、継続的な摂取がどのような影響を与えるのかまでは行っていません。しかし、α-リポ酸には、まだまだ知られていない働きが多くあると思いますので、さらに研究が進むのを期待しています。

 

※このコラムで紹介した情報は、一般的な知識のみを目的としたものであり、栄養素の効果・効能を保証するものではありません。
※専門的な医学的アドバイスや特定の病状に対する治療の代わりとはなりません。

 

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