一番寿命を延ばすスポーツは何?

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昔は「運動のやりすぎは体に悪い」といわれていたこともあります。


近年のスポーツ科学の知見では継続的な運動やスポーツは健康増進に効果があり寿命を延ばすことが明らかにされています。


では、どんなスポーツをすると寿命が延びるのでしょうか?


今回は、スポーツの種目と死亡リスクや平均寿命の関係についてご紹介します。



ラケットスポーツは長寿


2017年にイギリスで1994~2008年に行われた健康調査をもとに約8万人を抽出、6つのスポーツ分野と死亡リスクの関係について平均9年間追跡された報告があります。


参加者は、過去4週間以内にどのスポーツでどれだけの身体活動をしたか、息を弾ませ汗をかくほど十分な運動をしたかどうかなどを尋ねられています。


その結果、テニスやバドミントンなどラケットを使ったスポーツの死亡リスクが一番低かったことが明らかになっています。








一番平均寿命を延ばすのはテニス


2018年、デンマークでは約9000人を対象に25年間にわたってスポーツ種目と平均寿命の関係について追跡調査を行っています。


スポーツの実地状況や属性、健康状態、健康診断などを検証、スポーツ種目としてスポーツジム、水泳、柔軟体操、サイクリング、サッカー、バトミントン、テニス、その他種目に分類された種目と平均寿命の関係について調べています。


平均寿命を延長できる種目は1位 テニス(9.7年)、2位 バトミントン(6.2年)、3位 サッカー(4.7年)という結果になっています。


また、運動をほぼしたことがないと答えた人は、運動する人よりもその後数十年の内に亡くなる傾向が高かったとのこと。







2020年には米国内の国際テニス連盟に所属する142人(内89名45歳以上)を対象に調査が行われています。


その結果、テニスをしている人は一般集団に比べて健康状態が良好で肥満や心疾患、糖尿病が有意に少ないことも報告されています。


なぜ一番テニスがいいのか?



2つの報告から寿命を延ばすには圧倒的にテニスがよさそうです。


なぜテニスは他の種目よりも寿命を延ばしたのでしょう?


まず、テニスは一人ではなく仲間と一緒するスポーツであり、これがストレス解消となり心理的な効果が高まることが考えられます。


それは、平均寿命が長くなる種目1~3位がチーム種目であることからも推察されます。


また、初心者から上級者までどのレベルの人とテニスをしても会話があり、コミュニケーションが深まります。


さらにテニスの動きも関係していると思われます。


テニスは小刻みなダッシュを繰り返しポイントを取るため、インターバルトレーニング効果が高く持久力の改善が期待できます。


また、仲間とテニスをする場合は、ダブルスが中心となるため行動範囲がシングルスと比べて狭く、無理をせずに運動を続けることができることも関係しているかもしれません。








スポーツは2.6~4.5時間/週が適切



2021年、デンマークの同じ研究グループは、テニス、バドミントン、サッカー、ハンドボール、サイクリング、水泳、ジョギング、体操などのスポーツ活動(時間/週)と死亡リスクの関係についても報告しています。


その結果、2.6~4.5時間/週のスポーツ活動が最も死亡リスクが低く、スポーツ活動と死亡リスクとの間にU字型の関連性が観察されたと報告しています。







参考)

Br J Sports Med. 2017 May;51(10):812-817.
Mayo Clin Proc. 2018 Dec;93(12):1775-1785.
Int J Exerc Sci. 2020; 13(7): 1251–1261.
Mayo Clin Proc. 2021 Dec;96(12):3012-3020.





観察研究とはなりますが、健康増進や病気予防にはテニスが生涯スポーツとしてよさそうです。


これから本格的な秋を迎えます。この機会にスポーツの秋としてテニスをはじめてみてはいかでしょうか?



  • このコラムで紹介した情報は、一般的な知識のみを目的としたものであり、栄養素の効果・効能を保証するものではありません。
  • 専門的な医学的アドバイスや特定の病状に対する治療の代わりとはなりません。
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