「ストレス社会」という言葉を見たり聞いたりしたことはありませんか?
ニュース番組や健康番組などでも「ストレスは体に悪い」とよく取り上げられています。
そもそも「ストレス」はなぜ存在するのでしょう?
いつ頃から”悪者“になったのでしょう?
今回は、ストレスの意味や役割、そして、なぜ体に有害といわれるようになったのかを見ていきましょう。
ストレスは「敵」ではなく「防御反応」
もともとストレスは、「物体に外力が加わることで生じる変化」のこてで物理学の概念として使用されていました。
一方の医学的なストレスという言葉は、カナダの生理学者ハンス・セリエによって1930年代に提唱されています。
セリエは実験によって、外部からの刺激(寒さ・恐怖・痛みなど)に対して、体が同じような反応を示すことを発見します。
この反応が「ストレス反応」です。
例えば、原始時代に人間が猛獣に出くわしたとしましょう。
すると、人間は心拍数が上がり、筋肉に血流が集まり、瞬時に「逃げる」か「戦う」準備を整えます。

この時、分泌されるのが「アドレナリン」や「コルチゾール」といったホルモンです。
つまりストレス反応は、生き延びるための「防御システム」ということになります。
危険を察知して即座に行動できる。これはまさに、生命を守るための重要な働きでした。
ストレスが有害といわれるようになった理由は?
では、なぜ現代では「ストレス=悪いもの」といわれるようになったのでしょう?
その理由は、ストレス反応が“長時間オンのまま”になっているからと考えられます。
原始時代のストレスは「一瞬」で終わりました。
猛獣から逃げきれれば命の危険は去り、ストレス反応もすぐに収まります。
しかし、現代のストレスは異なります。
人間関係の悩みや経済的不安、仕事のプレッシャーなど、逃げることも戦うこともできない状況が続くと、私たちの体はずっと「緊張状態」を維持することになります。
その結果、アドレナリンやコルチゾールが長く分泌され続け心身に様々な影響を及ぼします。
例えば、
- 睡眠の質が下がる
- 胃腸の働きが悪くなる
- 血圧や血糖が上がる
- 免疫力が低下する
このように、一時的に体を守る仕組みが、慢性的にオフにならない状況が続くことで「自身に害を与えるもの」に変化してしまいます。
ストレスは「心」にも影響を与える
ストレスは体だけでなく、心にも大きく影響します。
これは脳の「扁桃体(へんとうたい)」や「海馬」「前頭前野」などの働きが関係しています。
ストレスを感じると、まず扁桃体が「危険」を感知し、体を防御モードに切り替えます。
しかし、その状態が長く続くと、感情のコントロールを担う前頭前野が疲れてしまい、イライラや不安、集中力の低下が起こります。
さらに、記憶をつかさどる海馬の機能も低下するため、物忘れや思考の停滞を感じやすくなります。
つまり「心のストレス」は、単なる気持ちの問題ではなく、“脳の機能変化による生理的現象”にもなります。

良いストレスも存在
ストレスには悪いイメージがありますが、すべてのストレスが悪い訳ではありません。
心理学的に体に良い影響を与えるストレスを「ユーストレス(良いストレス)」と呼びます。
実は、体の中では、ビタミンCは還元型と酸化型の間を可逆的に行き来しながら調整・利用されています。
例えば、
- 緊張感をもってプレゼンに臨む睡眠の質が下がる
- 新しいことに挑戦してワクワクする
- 運動や勉強で“やりがい”を感じる
これらもストレスの一種ですが、人の成長やモチベーションを引き出す力になります。
重要なのは、「ストレスがあること」ではなく、「どう向き合うか」ということになります。
うまく解消できる環境や習慣を持っていれば、ストレスは味方になってくれます。
そのため、どちらの形であっても体内ではビタミンCとして同じように働きます。
ストレスをためないためにできること
ストレスの原因そのものを解決するのはなかなか難しいものです。
ストレスの対処法としては、温泉旅行など大きなものもいいですが、実は一番効果的なのは、日常的に使える小さなものをたくさん用意して、こまめに使っていくことだといわれています。
その他、脳の疲労回復や精神的リフレッシュに効果のある睡眠や、ビタミンC・E・B群、トリプトファンなどストレス耐性を高める栄養素の摂取も大切になってきます。

私たちは、体がストレスを感じていても気づかないことがあります。
だからこそ、日ごろから意識的にリラックスする時間を持ち、ストレスを体にため込まないことが大切です。
また、ストレスに対抗するホルモン「コルチゾール」をつくるためには、ビタミンCが欠かせません。
実際には、ビタミンCは日常の食事や調理で極端に失われることはほとんどありません。
心と体の健康を守るために、日常のケアと栄養補給を意識していきましょう。
- このコラムで紹介した情報は、一般的な知識のみを目的としたものであり、栄養素の効果・効能を保証するものではありません。
- 専門的な医学的アドバイスや特定の病状に対する治療の代わりとはなりません。

