普通の水と炭酸水、どちらの方が健康にいいの??

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近年、スーパーやコンビニでも炭酸水のラインナップが豊富になり、日常的に飲む方も増えてきました。


一方で「普通の水と比べて体にどんな違いがあるの?」と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。


今回は、科学的な根拠に基づいて、その違いを整理します。



2009年から炭酸水が爆発的人気に




炭酸水が欧米でよく飲まれているのは、もともと天然の炭酸ガスを含む水源が多く、天然の炭酸水が広く流通しているためです。


また、日本と異なり硬水が多く、炭酸と硬水との相性がよいこと、洋食は油分が多いため食事中や食後の爽快感を得られることなども関係しているようです。


日本でも炭酸水はBarで使用される割り材として利用されてきましたが、硬水の商品が多かったことや外食向けにビン容器が主流だったため家庭用には定着しなかった背景があります。


しかし、今ではいろいろな銘柄の炭酸水を目にする機会があります。


炭酸水の生産量は2007年ごろから増え始め、2009年から爆発的に生産量が多くなっています。2006年の3万9500kLから2023年には37万5400kLと9.5倍も増えています。









また、炭酸水ブームのきっかけは2011年にアサヒ飲料が500mlペットボトルの炭酸水「ウィルキンソン」発売したことだといわれています。


ちなみに、ウィルキンソンは1904年(明治37年)に「ウヰルキンソン タンサン」(兵庫県宝塚工場生産)として販売された伝統のあるブランドになります。


水道水を直接飲めるのは何か国?




水道水を直接飲めるのは何か国あるかご存じですか?


世界で安心して水道水を直接飲めるのは日本を含め、たった9か国しかありません。その他21か国ありますが、こちらはそのまま飲めるが注意が必要な国となっています。


日本は水道は水質が良く、そのまま飲むことができる数少ない国のひとつでもあります。









では本題の普通の水と炭酸水の違いにうつりましょう。


水分補給としてはどちらも同等




水分補給する上では普通の水でも炭酸水でも、水としての機能は同じなため、炭酸が入っていてもいなくても同等になります。


普通の水や炭酸水は、水分補給する上では炭酸以外の添加物、特に砂糖や甘味料が入った飲み物より優れています。


炭酸水は骨や歯を溶かしてしまうのか?




炭酸水が骨に影響を与えるとの報告はありません。ソフトドリンクとしての炭酸水をよく飲むと骨折しやすくなるといわれていますが、主に肥満が関係しており、炭酸が直接的に骨に影響を与えているのではないとされています。


炭酸水は水に比べて酸性度が高いため、歯のエナメル質を溶かしてしまうのではと思う方もいるかもしれません。


しかし、炭酸水が影響を与えるには長時間、大量の炭酸水にさらされる必要があります。炭酸水だけなら口の中にいる時間も短いため、ほとんど心配をする必要性はありません。


炭酸水をよく飲むため歯への影響が心配な方は、炭酸水を飲んだ後に水を飲めば口の中の酸性度が元に戻るとのこと。








食事中にドリンクを飲むと消化に悪い?



食事中に飲み物を飲むと胃液が薄まって消化に悪いといわれる通説がありますが、これは誤解とのこと。


理論的には水で胃液が薄まる可能性があるものの、消化器系が胃の中の食べ物の粘り気に応じて適応するので、食事中に水を飲んでも悪影響はないそうです。


炭酸水を飲むと胃の調子が悪くなること方がいますが、これはガスがたまって満腹感や不快感などを引き起こすのが原因になっているそうです。


冷えた水や炭酸水は影響を与えるのか?




飲むときの温度の影響はどうなのでしょう?


常温の水と冷水の影響を比較した研究は極わずかしかありません。


とても冷たい水(2℃)を飲むと胃の収縮を抑制して消化を遅らせる可能性があるとの報告や、氷水が血管を収縮させてけいれんを起こす可能性があるとの報告がされています。


その一方で、冷たい水を飲むと、体を温めるためにエネルギーが消費され、一時的に代謝が促進されるとの報告もありますが、その作用は限定的なので減量といった効果は期待できないそうです。


参考)

The conversation. Published: September 2, 2024 7.45am BST 






普通の水と炭酸水は「健康効果」に大きな差はなく、どちらも水分補給としては十分に役立ちます。


大切なのは甘味料や添加物の少ない“シンプルな水”を選ぶこと。


あとは飲みやすさやシーンに合わせて、自分に合ったスタイルを続けるのが一番の健康習慣といえるでしょう。




  • このコラムで紹介した情報は、一般的な知識のみを目的としたものであり、栄養素の効果・効能を保証するものではありません。
  • 専門的な医学的アドバイスや特定の病状に対する治療の代わりとはなりません。
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