亜鉛不足は「認知症リスク」と関係する?

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最近、「あれなんだっけ??」


そんな小さな変化を感じたとき、「年齢のせいかな」と受け止めていませんか。


年齢を重ねれば体が変化するように、脳もまた少しずつ変わっていきます。


しかし、近年の研究では、脳の健康は年齢だけで決まるものではなく、日々の生活習慣や栄養状態とも深く関わっていることがわかってきました。


今回は、脳の健康と亜鉛の関係について報告した大規模研究をご紹介します。


この報告は、2025年11月4日付のオープンアクセス雑誌「Frontiers in Nutrition」に掲載されています。


6万人を超える大規模研究



研究グループは、76万人以上の医療データから、血液検査で亜鉛値が測定されている50歳以上の人を抽出し、認知症や重い病気のある人を除外、さらに性別や人種などを調整したうえで、亜鉛欠乏群と正常群に分類しています。


・欠乏群(70µg/mL未満):約3,4000人

・正常群(70〜120µg/mL)約3,4000人


そして、3年間で新たに認知症を発症した割合と亜鉛との関係について解析しました。








亜鉛不足でリスク1.3倍



その結果、亜鉛欠乏群は正常群に比べて、この期間に発症した認知症リスクが1.3倍高いことが示されました。


さらに、血清亜鉛濃度が低くなるほどリスクが高まる相関関係も確認されています。


特に重度の亜鉛欠乏(50µg/mL未満)の場合、リスクは1.7倍に達していました。


この研究は観察研究であり因果関係を証明するものではありません。しかし、大規模データで示された結果であり、亜鉛が何らかの影響を与えている可能性は考えられます。


亜鉛が脳に良い理由



亜鉛は免疫機能や皮膚の健康に関与するだけでなく、脳の働きにも重要な役割を果たしています。


特に脳内の亜鉛濃度は血清の10倍にも達し、記憶や学習、認知に直接関与する神経細胞同士の情報伝達に重要な役割を果たしています。


今回の研究以外にも、アルツハイマー病やパーキンソン病、統合失調症、脳卒中、外傷性脳損傷など関連していることを示唆する報告が増えています。


日本人は亜鉛が不足



国内の医療機関から収集した13,000人を超えるデータの解析では、男性で36.6%、女性で33.1%と高頻度で亜鉛欠乏症が認められています。


特に高齢になるほど、亜鉛不足の傾向が強まることが確認されています。










参考)

Front Nutr. 2025 Nov 4:12:1666887.

Nutrients. 2023 Apr 29;15(9):2140.





亜鉛は体内で作ることができず、吸収率も年齢とともに低下しやすい栄養素です。


牡蠣や赤身肉、大豆製品などを意識して取り入れることが基本ですが、食事だけでは十分に補えない場合もあります。


将来の自分のためにできる小さな準備として、毎日の栄養を土台から整える習慣を始めてみませんか。


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  • このコラムで紹介した情報は、一般的な知識のみを目的としたものであり、栄養素の効果・効能を保証するものではありません。
  • 専門的な医学的アドバイスや特定の病状に対する治療の代わりとはなりません。
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