朝食をドーナツなどの甘いもので済ませていませんか?
忙しい朝、「とりあえず甘いパンと飲み物だけ」という選択は、決して珍しいものではありません。手軽で満足感もあり、すぐにエネルギーになる気がします。
実際に、成人女性のかなりの割合が、1日の最初の食事として菓子や甘いスナックを習慣的に選んでいるそうです。
甘い朝食は手軽で気持ちも満たされますが、その一方で「午前中に眠くなる」「頭がぼんやりする」と感じる女性が少なくありません。
実は、朝食による“神経の切り替え”が関係しているかもしれません。
この報告は、2025年12月号のFood and Humanity誌に記載されています。
朝の調子を決める「自律神経」
私たちの体には、自分の意思とは無関係に働く“自律神経”があります。いわば体の自動運転システムです。
自律神経には2つのモードがあります。
● 交感神経
活動・集中・やる気を支える「オンの神経」
● 副交感神経
休息・消化・リラックスを促す「オフの神経」
朝は本来、体温や血圧がゆるやかに上がり、交感神経が優位になることで活動モードへと切り替わります。このスイッチがうまく入ると、頭も体も軽く感じやすくなります。
和食と甘い朝食を比較
研究グループは、健康な女子学性13人を対象に、朝食の違いが体と脳に与える影響を調べています。
比較した朝食は以下の通り、エネルギー量は同じ約500kcalです。
- ごはん、塩鮭、オムレツ、ホウレン草胡麻和え、味噌汁、バナナといった和食中心の朝食
炭水化物とタンパク質中心で適度な脂肪 - ドーナツと加糖ミルク飲料のみの朝食
高脂肪・高糖質
参加者は、2種類の朝食を別々の日に摂取し、食後2時間にわたり体温、自律神経の状態(心拍変動)をチェックし、注意力と実行力を中心とした認知テストを行っています。

結果は興味深いものになっていました。
和食の朝食では体温がしっかり上昇し、交感神経が活性化。参加者は「元気」「前向き」と感じ、思考の切り替えテストの成績も良好でした。
一方、甘い朝食では体温上昇が小さく、副交感神経が優位になりやすい傾向がみられました。「眠い」「だるい」と感じる人が増え、段取りを考える力がやや低下していました。
なぜ甘い朝食だと眠くなるのか
理由のひとつは血糖の変動です。
甘いものを摂ると血糖値が急上昇し、それを下げるためにインスリンが多く分泌されます。その後、血糖が下がりすぎると、眠気や集中力低下が起こりやすくなります。
さらに、高脂肪・高糖質の食事は「消化を優先する」状態をつくり、副交感神経を強めやすくします。つまり、体はリラックス方向に傾くと考えられます。
一方、タンパク質を含むバランスのよい食事は、消化の過程で熱を生み(食事誘発性熱産生)、体温を上げます。この体温上昇が交感神経の働きを後押しし、自然な目覚めにつながります。
つまり、パフォーマンスを維持するのは摂取カロリーだけではなく、その質にも左右されることを示唆しています。

参考)
PsyPost. by Karina Petrova February 5, 2026.
Food and Humanity. 2025. 5. 100900-100900
この研究は小規模で学生を対象としたものですが、朝食の内容が午前中のパフォーマンスに影響することを示唆しています。
もし「午前中がつらい」と感じることがあるなら、「朝食を高脂肪・高糖質中心から炭水化物とタンパク質を中心に、脂肪は適度な量」へ見直してみるのもいいかもしれません。
朝の一食が、脳と体の目覚めを左右する。
そんな視点で、朝食を選んでみてはいかがでしょうか。
- このコラムで紹介した情報は、一般的な知識のみを目的としたものであり、栄養素の効果・効能を保証するものではありません。
- 専門的な医学的アドバイスや特定の病状に対する治療の代わりとはなりません。

