一年を通して出回っているピーマンですが、旬は6月~9月、旬の野菜は栄養価が高いのでとりいれたい食材です。
ピーマンには抗酸化作用や美肌効果が期待できるビタミン C が豊富に含まれています。
ピーマンのビタミンCはビタミンP(フラボノイド色素)に守られているので加熱調理しても壊れにくい特徴があります。
ところで、スーパーに行くとピーマンの近くにあるパプリカ、この違いご存知ですか??
今回はピーマンとパプリカの違いについて調べてみたのでご紹介します。
ピーマンとパプリカは同じナス科トウガラシ属
ピーマンの語源はフランス語の「piment(ピマン)」またはスペイン語の「pimiento(ピメント)」という唐辛子を指す言葉が由来になっています。
一方、パプリカはハンガリー語の「パプリカ(paprika)」がそのまま日本で名称として定着し、現地ではピーマン、パプリカ、唐辛子のすべてをパプリカと呼ぶそうです。
ピーマンとパプリカはもともと中南米が原産、コロンブスがヨーロッパに持ち帰り香辛料として世界に広がっていきました。
わたしたちがイメージするピーマンが日本に伝わったのは明治時代でアメリカが原産、一般家庭の食卓に並ぶようになったのは1955年頃(昭和30年代)から。
パプリカはヨーロッパに広まったものがさらにオランダで品種改良がされ、日本に本格的に輸入されるようなったのは1990年頃(平成初め頃)。
赤や黄、オレンジのパプリカはよく目にしますが、他にも白や緑、紫、茶、黒、全部で8種類もあるのに驚きます。
植物学上は明確わかれているわけではなく、日本では一般的にトウガラシ属のなかで特に肉厚で辛みがなく甘い品種をパプリカと呼んでいます。

ピーマンとパプリカの違いは収穫時期と栄養
ピーマンもパプリカも2月頃に種をまき、6月下旬から11月初旬ごろまで収穫されます。
作り方は同じですが収穫される時期が「未熟」か「完熟」の違いでピーマンとパプリカに違いがあらわれます。
ピーマンは未熟な状態で収穫されるので独特の青臭いにおいと苦みがありますが、完熟してから収穫されるパプリカではそれらが薄れ、甘さが感じられます。
パプリカは品種や熟度などによって色が変わりますが、それぞれの色のパプリカでは、含まれている栄養素と、ほんの少しですが味にも違いがあります。
赤色のパプリカにはベータカロテンが多く含まれ、味は最も完熟に近いのでほかのパプリカよりも甘味が強いのが特徴です。
黄色のパプリカは、色素成分であるカロテノイドの一種でルテインを多く含んでいます。味はさっぱりとした甘味で少し酸味も感じられ、赤色のものよりも少し軽い味わいとされています。
オレンジ色のパプリカは赤と黄色の両方の栄養素を含んでいるので、迷った時はオレンジ色のパプリカがいいと思います。
ちなみにカラーピーマンは、ピーマンを赤や黄色くなるまで完熟させてから収穫したもの。
通常のピーマンと比べて7週間程あとに収穫しなければならないので、生産量は少ないそうです。
ピーマン独特の青臭さや苦みは、苦み成分のポリフェノールの一種クエルシトリンとピーマン特有の香り成分ピラジンが混ざることで感じるそうです。
これらはワタに多く含まれる成分、血管を丈夫にし血流を良くする作用があるのでなるべくとらずそのまま食べるようにしましょう。
ピーマンのビタミンCは加熱調理しても壊れにくいので炒め物などに、パプリカは加熱時間が長くなると栄養価が落ちてしまうので、サラダやスープなどにするのがオススメです。

長年、正体が不明だったピーマンの苦み成分が解明されたのは2012年と最近のこと。
苦み成分が少ないピーマン(こどもピーマン)の開発がきっかけだったそうです。
ピーマンの苦みが苦手な方は、ピーマンの繊維の方向、縦に切ると細胞を傷つけにくいので、輪切りやみじん切りより苦みが出にくくなります。
ピーマンを使うときにその違いを確かめてみてください。
- このコラムで紹介した情報は、一般的な知識のみを目的としたものであり、栄養素の効果・効能を保証するものではありません。
- 専門的な医学的アドバイスや特定の病状に対する治療の代わりとはなりません。