偏頭痛持ちの方には朗報かもしれません。
今までビタミンCが片頭痛の発症や重症度の低下と関連性が示唆される報告はありましたが、サンプル数が少なく、さらなる研究が必要でした。
しかし、四川メンタルヘルスセンター(中国)の研究グループが対象者4000名以上、片頭痛患者700名以上とサンプル数が多い報告をしていたのでご紹介します。
この報告は、Journal of Human Nutrition and Dietetics誌オンライン版2024年9月10日号に記載されています。
ビタミンC摂取量が多いと偏頭痛リスクが低下
研究グループは、1999~2004年の米国国民健康栄養調査(NHANES)のデータを使用し、過去3ヵ月以内に重度の頭痛または片頭痛を経験した患者を片頭痛患者として分類しました。
そして、ビタミンCの摂取量を24時間食事想起システムを用いてビタミンC摂取量と片頭痛の関係について評価しています。
解析は以下の3つの方法で行っています。
- ロジスティック回帰モデル: ビタミンC摂取量と片頭痛のリスクの関連性を分析
- 制限付き3次スプライン回帰: ビタミンC摂取量と片頭痛の関係の非線形性を評価
- 層別分析: 異なるグループ間での関係の違いを検討
その結果、以下のようなことが明らかとなっています。
- 対象者4,101例中、片頭痛患者は702例(17.12%)
- 全体としてビタミンC摂取量が多い人ほど、片頭痛のリスクが低い
- ビタミンC摂取量を4グループに分類した場合、最も多いグループと少ないグループでは片頭痛のリスクが約36%少ない
- ビタミンC摂取量と片頭痛のリスクの関係は直線的な負の相関が認められた
- 異なるグループ間でも結果に有意な違いはなかった
研究グループは、これらの結果からビタミンC摂取量が多いと片頭痛リスクが低いとし、その関係は直線的な負の相関であったとしています。
また、ビタミンC摂取が片頭痛のリスクを減らす可能性があるとの見解を示しています。
参考)
J Hum Nutr Diet. 2024 Sep 10. doi: 10.1111/jhn.13366. Online ahead of print.
この報告は、ビタミンC摂取量と片頭痛が関係しているとの結果であり、因果関係を示したものではありません。
そのため、ビタミンCが治療に使えるのかどうかは、今後の研究に期待しなければなりません。
しかし、ビタミンCは不足している栄養素であり、一石40鳥の効果があるともいわれています。
これを機会にビタミンCを摂ってみていはいかがでしょうか?
- このコラムで紹介した情報は、一般的な知識のみを目的としたものであり、栄養素の効果・効能を保証するものではありません。
- 専門的な医学的アドバイスや特定の病状に対する治療の代わりとはなりません。