天然と合成の違い

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ビタミンCは天然と合成のどちらが良いのか疑問に持たれる方も多いかもしれません。

実は、天然と合成、どちらのビタミンCでも「まったく同じ」です。

 

 

天然と合成の違いとは?

サプリメントの場合、天然と合成はどのように定義されているのでしょうか?

天然原料とは、「野菜、果物、酵母等から抽出された天然由来の原料」となり、例えば、生の野菜ジュースからそれぞれの栄養素を抽出したものが使われていたら、天然原料となります。

 

一方の合成原料は、「分子の主要な構造を変化させて製造された合成原料」ということになります。例えば広く流通しているビタミンCは、穀類から得られたソルビトールから構造を変化させてビタミンCを製造しているため、合成されたビタミンCといえますが、大もとの原料(材料)は穀類になります。

 

 

ビタミンCは天然でも合成でも同じ構造

ビタミンCの化学式はC6H8O6、分子構造自体も天然でも合成でも同じです。

 

 

 

 

吸収率に違いはない

医学や栄養学関連の多くの論文では、天然と合成にはほとんど差がないと報告されています。

 

ビタミンCの巨匠 ライナス・ポーリング博士は、「合成されたビタミンCでも健康を改善することができる」と述べています。

 

例えば、1940年代にパパイヤ・グアバと合成ビタミンCを比較した研究では、尿への排泄や血中レベルに有意な差は見られなかったと報告しています1)。

 

1990年代には、オレンジジュースでもオレンジ果肉でも、調理されたブロッコリーでも、ビタミンC自体を比較した場合、ビタミンCの錠剤と生物学的利用能は変わらないと報告されています2-3)。

 

ヒトを対象に行われた研究もあります。2010年代には、キウイフルーツとチュアブルタイプのビタミンCで、血液や尿、白血球、筋肉組織などのビタミンC量の比較が行われていますが、有意な差は見られなかったと報告されています4)。

 

この他、いろいろな研究報告がありますが、違いが出る要因はなにかあるのでしょうか?

 

 

 

 

ビタミンC摂取量で吸収が変化

1989年に行われた研究では、合成ビタミンCと柑橘系エキスを混ぜたものと、混ぜていないを比較しています5)。その結果、柑橘系エキスを混ぜたビタミンCの利用率の方が35%も高くなりました。

 

なぜ利用率が変化したのでしょうか?この違いは、ビタミンCの摂取量にあります。

 

この研究は、ビタミンCの摂取量が500mgで検討されていますが、上記で説明したヒトを対象にしたキウイフルーツとチュアブルビタミンCの研究は、摂取量が50mgで比較されています。

 

つまり、ビタミンCを500mg以上摂取している場合は、果物や野菜に含まれるポリフェノール、フラボノイドなどの成分が影響を与えているといえるかもしれません。

 

野菜や果物にはこれらの成分だけではなく、ミネラルやビタミン、酵素などが含まれているので、ビタミンCの利用率を高め、より効果的な形でビタミンCの働きを円滑にしてくれていると考えられます。

 

 

 

 

サプリメントだけから多くのビタミンCをとっても上手く利用されず、野菜と果物だけからビタミンCを補うのもなかなか難しいものです。

 

ビタミンCを一日3回1グラム、ある程度たくさんのビタミンCを摂る場合は、野菜や果物、または野菜/果物のジュースを摂ることも心がけることが大切になります。

 

1) J Nutr. 1945 Nov; 30(5); 355-365.

2) Nutr Rev. 1993 Oct;51(10):301-303.

3) J Nutr. 1993 Jun;123(6):1054-1061.

4) Nutrients. 2013 Sep 17;5(9):3684-3695.

5) Am J Clin Nutr. 1988 Sep;48(3):601-604.

 
※このコラムで紹介した情報は、一般的な知識のみを目的としたものであり、栄養素の効果・効能を保証するものではありません。
※専門的な医学的アドバイスや特定の病状に対する治療の代わりとはなりません。

 

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