糖尿病になるとビタミンCが足りなくなる!?

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糖尿病になるとビタミンCが足りなくなる!?

糖尿病は、インスリンがうまく働かなくなり、血液中のブドウ糖(血糖)が増えてしまう病気です。重症化してしまうと慢性合併症により動脈硬化や腎不全、白内障などより重い病気につながってしまいます。糖尿病では、かなり血糖値が高くないと症状がでないため気づいていない人も多くいます。糖尿病は、体質によるところが多く、遺伝的に認められる一方で、食べ過ぎや運動不足、肥満などの生活習慣が要因となることがほとんどです。平成28年の厚生労働省の発表によれば、糖尿病の予備軍は1,000万人を超え、両方合わせると約2,000万人にもなり、これからも増え続けることが予想されています。
 

 

ビタミンCは抗酸化物質として、老化やがん、動脈硬化などの原因となる可能性のある活性酸素を取り除く効果があるとされています。
 

その一方で、糖尿病患者の方は、食事から十分なビタミンCを摂取していても体の中のビタミンC量が下がってしまうとの報告が多くあります。これは、腎臓でビタミンCの再吸収が抑制されてしまい尿中にビタミンCが排出されてしまったり、高血糖による酸化ストレス増大の影響により、ビタミンCの消費が増えてしまうと考えられています。
 

なぜ、糖尿病患者の方は、ビタミンCが少なくなってしまうのかよくわかっていませんでしたが、ラット使った動物実験で、この原因がビタミンCを還元再生する酵素の活動低下や、ビタミンCを合成する酵素の働きが低下してしまいビタミンCが作られないこと、さらに尿中に大量のビタミンCが排出されてしまうことがあきらかとなりました。
 

ヒトはラットと違いビタミンCを作ることができません。見かけ上ビタミンCを十分摂取していてもからだの中で利用されていない可能性もあり、糖尿病患者の方は潜在的にビタミンCが欠乏していることが考えられます。そのため、このような状況を考慮しつつサプリメントなどを利用して効率的にビタミンCを摂取することが必要になってくるのかもしれません。
 

参考:Free Radic Biol Med. 2002 Nov 1;33(9):1221-30.
 

 

※このコラムで紹介した情報は、一般的な知識のみを目的としたものであり、栄養素の効果・効能を保証するものではありません。
※専門的な医学的アドバイスや特定の病状に対する治療の代わりとはなりません。

 

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